人として・・・・。

今朝、私が所属する「香川県柔道整復師会」からFAXが一通届いてました。そこには昭和54年に発足した「休日当番医」を休止する旨が書かれてました。約40年間続いてた休日接骨院。四国新聞の愛読者の方は日曜日の朝刊の「当番医」のコーナーに「休日接骨院」の記載があったので記憶にある方もいらっしゃると思います。私たち「香川県柔道整復師会」の会員が年一回当番が当たり2人一組で朝の9時から夕方5時まで詰めてました。この当番だけは絶対に休むわけにはいきません。例え風邪を引こうが熱があろうが絶対に会館に詰めなくてはなりません。実際、たまたま私も叔父に急な不幸が出来たこともありましたが葬儀に参列も出来ず当番をしたこともあります。それくらい責任のあった当番医が廃止。その理由を今回は書きたいと思います。

そもそも、日本全国の都道府県の中で接骨院(ほねつぎ)の「当番医」制度を設けていたのは香川県だけなんです。

何故、当会だけが「当番医」制を設けていたかと言いますと、「柔道整復師」の認知度を高めるためと、「社会に貢献」するためだったと思います。それを県側も認めてくれてたから補助金が当会に支給され、私たち先生方の交通費や日当に当てられていました。それが数年前から打ち切られ、私たち会員の会費で運営されてたそうです。そのことも今朝初めて私は知りました。

私たち柔道整復師には手技があります。元々、柔道の練習で怪我した者同士、捻挫や肉離れや骨折、脱臼を治すことから始まった国家資格。ところが、以前書きましたように17~18年前に柔道整復師の養成学校が国を相手取り訴訟を起こし勝訴したのが始まりでした。国としては「医療費」の予算もあり「柔道整復師養成学校」を増やしたくはなかった。だからそれまで全国で14校しかなかった専門学校のままでいこうとしたんです。でも新規参入したい学校側が国を相手取り訴訟し勝訴。これによって一気に接骨院(ほねつぎ)の専門学校は増え10倍の150校を超えるところまでになりました。当然、毎年数千人の卒業生がこの世に誕生します。

その結果、コンビニの数より接骨院(整骨院←この名称は本来違法ですが増えてます)のほうが増えたんですね。これは皆さんもご近所を見渡せばおわかりだと思います。

そのことを私は悪いとも、迷惑だとも思っていません。接骨院が増えるなら増えてもいいと思います。だって国がそう判断したからこそ学校が増えたんですから。それは仕方ないことです。

ただ、接骨院が増える一方だからといって、私たち柔道整復師全員がやってることを否定して欲しくないんです。私たちは私たちで「国民の健康」に貢献してるんです!!そのことを認めて欲しい!!汗水垂らして自分の健康を犠牲にしてまで国民の健康のために尽くしてる先生もいるんですよ。法律や規則は大事です。でも私は「人間としてどうなのか?」、「人としてどうなのか?」のほうがもっともっと大事だと思うんです。

他人の物を盗めば罪に問われますが、友情を裏切っても罪には問われません。でも、どっちが重いですか?そんなこと比べようがないのではありませんか?罪に問われないからって友情を平気で裏切ってもいいのでしょうか?そんな人として大事な大事なあったかいものを社会が見失ってる!今、そう思います。

今回の当番医の休止はおそらく当会の会長の苦渋の決断だったと思います。県側からの助成もなく、会費を削ってまで国民の健康に貢献してきたのに、逆に我々柔道整復師を絞めつける国。こんなに民のために貢献してきたのに認めてもらえないジレンマ。これで4月から当番医としては(個々の接骨院では救急は受け付けてくれると思います)休日に怪我をすると病院しか受診できなくなりました。私も24年間やってきたものがフっと消えて複雑な想いです。どんどん大切なものが消えていく時代。淋しいものです。