釣りをする方ならよく耳にするでしょうが、漁業を営む方々でさえこう言います「瀬戸内海には魚がいない」と。
確かに魚が減ってます。それは海を覗いただけでも感じるくらい生命反応が無い。勿論、海流や海の環境によっては魚のストック量が多い場所もありますが、全体的に間違いなく魚は減ってる。何故こんなに魚が減ったのか?確かに海水温の上昇っていうのもあるのでしょうが、水質に一番問題があるように私は思います。
先日来ニュースにもなりましたが、鎌倉や横浜の海岸で赤潮が発生。一昨日は千葉や東京湾で青潮が発生したそうです。ではこの赤潮や青潮とはどういうものなのか?を今回はお話したいと思います。
先ずは学生時代、理科や社会で習った「富栄養化」をおさらいします。ここからはウィキペディアに記載されてる説明を引用します。
「富栄養化とは、海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象をいう。本来富栄養化は、形成されたばかりの池や湖が、遷移によって湖沼型を変化させてゆく非人為的な過程を示す言葉であった(自然富栄養化)。しかし近年では、人間活動の影響による水中の肥料分(窒素化合物やリンなど)の濃度上昇を意味する場合が多い。富栄養化の要因は下水・農牧業・工業排水など多岐にわたる。このような富栄養化は生態系における生物の構成を変化させ、一般には生物の多様性を減少させる方向に作用する。極端な場合では赤潮や青潮などの現象を二次的に引き起こすため、富栄養化は公害や環境問題として広く認識されている。」
1977年5月に琵琶湖では周辺での工業立地や人口増加により赤褐色のプランクトンが大量発生。「淡水赤潮」と呼ばれたそうです。その原因の一つとして、合成洗剤に含まれてるリンであることがわかりました。そこで県民が主体となりリンを含む洗剤の使用をやめて天然油脂を主原料とした粉石けんを使おうという運動が始まりました。これを「石鹸運動」と呼んだそうです。その結果、今も小鮎や鮒などが捕れる綺麗な淡水に戻っています。
アフリカのセレンゲティ草原では、毎年「ヌー」が大量に川で溺死するそうです。その数6000頭!そして一部の死体は他の肉食動物の餌になり、殆どが川の栄養素となるそうです。そうやって自然界では他の生物のために栄養のバトンタッチがおこなわれてるんですね!
ところが、人間はどうでしょう?次の世代へ、他の生物のために何をしてあげてるんでしょう??瀬戸内海から魚がいなくなる前に、真剣にバトンを誰に渡すのか?を一人一人が考える時期にきたのだと思います。自然に逆らうと、自然界にはないようなことがいつか起こるのではないでしょうか?