関東ではまさかの雪が降る寒い春ですが卒業式もそろそろ終盤。
卒業式といえば皆さんはどんな歌を思い出しますか?年代的に私はユーミン(松任谷由美)の「卒業写真」を思い出すんです。
ところが、昨日NHKにたまたまユーミンが出てまして、あの名曲「瞳を閉じて」の曲ができるまでのヒストリーを語ってたんです。その話があまりに感動的だったので是非皆さんにもおすそ分けします(笑)。
この歌は皆さんも絶対一度は聞いたことがあると思いますが、実はこの歌、ユーミンがある高校の校歌として贈った歌だったんですね!知りませんでした。1974年(昭和49年)頃、ユーミンがデビュー1年目の年に、持っていたラジオの深夜番組へ一通の手紙が届いたそうです。差出人は長崎県立奈留高等学校の分校の三年生の女子生徒からでした。その内容は「私たちの分校には校歌がありません。是非卒業式に校歌を歌ってみたいので曲を作ってもらえませんか?」というものだったそうです。
しかし当時のユーミンは荒井由美という名でデビューしたばかり。睡眠時間も3時間くらいの多忙だったようです。そこでその生徒と教室から見える景色や海のことを手紙でやり取りし、頭の中で情景を想像しながらユーミンは曲を作りました。それが後の名曲となる「瞳を閉じて」だったのです。
曲が出来、そのデモテープをユーミンは彼女に送りました。
ところが・・・・。残念なことに素晴らしい曲にも関わらず、役所の審査で校歌としては認められませんでした。でも、島民の思いは一つ。この曲を校歌ではなく島の「愛唱歌」に決定したのです。もちろん、校歌としても歌える曲として、大きな意味での島唄として。その歌詞をユーミン自らの直筆で原稿に書いてもらい、それを石碑に転写し彫ったんです。
いよいよ石碑の除幕式を迎えた時、島民がユーミンを招待しました。多忙だったので僅か1時間しか島に滞在できませんが「行きます」と返答したそうです。そしてユーミンは船を乗り継いで、この学校まで来ました。初めて会う手紙の差出人の女の子や先生方。島民は温かくユーミンを迎え入れました。除幕式で学生が「瞳を閉じて」を楽器演奏しながら幕を下ろした瞬間、ユーミンの目からは大粒の涙がボロボロと零れ落ちました。その涙は「心が溢れた」、そんな涙でした。そしてその生徒が自分が見た景色をユーミン本人にも見て欲しくて教室へと案内しました。窓際の席についたユーミンは堪えきれない涙を溢しながらこうつぶやきました。
「この景色を私は見ました。この蒼い海、そしてこの風景、あれはテレパシーだったのかも・・・。純粋な島の人たちの心が私を動かしたんですね。・・・」一度も訪れたことがない場所なのに、人の純粋な心が人を動かし同じ景色が見れる。そのユーミンの涙を見て純粋な心の持ち主だな~って感じ、私もボロボロ(笑)。
お金や、規則や方針やも大事ですがこんな温かいものが人を、人の心を動かすんです!私もユーミンのような純粋な心の持ち主でいたい。そう思います。
最後に、「瞳を閉じて」の歌詞をこの春新しい出発をするあなたへ贈ります。作詞・作曲 荒井由美(松任谷由美)
1:風がやんだら 沖まで船を出そう 手紙を入れた ガラスびんをもって 遠いところへ行った友達に 潮騒の音がもう一度届くように 今 海に流そう2:霧が晴れたら 小高い丘に立とう 名もない島が 見えるかもしれない 小さな子供にたずねられたら 海の碧さをもう一度伝えるために 今 瞳を閉じて 今 瞳を閉じて
島を出たくても出れない人島を出たくないのに出なくてはならない人島民に限らず皆それぞれの春があります。You tubeにもこの話しのユーミンのビデオがありました。是非色んなことがあったとき故郷を思いだして頑張ってください!