この数日間、水泳の池江選手の「白血病」の話題で骨髄バンクのドナー登録が急増してるそうです。そこで簡単にですが「白血病」について少し今回はお話したいと思います。
そもそも「骨髄」とはなにか?骨って輪切りにすると中は空洞ですが、その空洞部分を埋めているのが「骨髄」です。ラーメン屋さんでスープを作るときに鶏がらや豚骨を煮て出汁をとりますよね?そうです、あの出汁が骨髄です。この骨髄で血球成分が作られるんです。
例えば「白血球」「赤血球」「血小板」「リンパ球」などなど。人間の全ての骨(約206個)の中にある血液成分を作る工場みたいなものです。一部の免疫に関与する細胞は主に胸の中心にある「胸骨」がメインで生産されますが、太ももや腕などの長く大きな骨をメインに骨髄は血液成分を生産します。そして古くなった血液成分は「脾臓」で壊されその寿命が終わります。その間にもどんどん新しい血液成分は骨髄で作られ血液の中に出荷されます。本来このシステムが正常に稼動しておれば脾臓で壊されたぶん、新しい血球が出荷され需要と供給のバランスがとれます。
ところが、これらの血液細胞が製造される過程において「なんらかの原因」によってガンになってしまう。そのガン化した「白血病細胞」が骨髄内で増殖し骨髄を埋め尽くしてしまうんです。結果、正常な白血球や赤血球、血小板などが減少し「貧血」や「出血」そして本来古くなった血液成分を壊す工場である「脾臓が腫れる」などの症状が表れてきます。
今回の池江選手は異常な疲労感と息切れから病院で受診し発覚したそうです。治療としましては急にこの病気を発症する「急性骨髄性白血病」と、既に慢性化してる「慢性骨髄性白血病」の2種類があり、前者では主に「抗がん剤などの薬物治療」がメインとなり後者はドナーからの骨髄提供による「骨髄移植」がメインとなります。それでも「ガン」である以上は「原因不明」だということにかわりありません。急性だろうが慢性であろうが、あらゆる種類の薬剤を投与し「効く薬を見つける」ことになるでしょう。その間免疫が落ちたり「免疫抑制剤」を投与することもあるため「無菌室」で管理されます。もちろん薬の副作用に耐える気力と体力も要求されます。それでもあれだけの日本記録を出せた方です。きっとこの病気を克服し元気な姿を見せてくれることでしょう。
一日3~4件のドナー登録の問い合わせだったのが今現在は300件を越えてるそうです。若い人が一生懸命なにかに向かって戦う姿は素晴らしいことです。必ずやきっとまたあの雄姿を見せてくれることでしょう。影ながら応援してます!