諦めたらそこまでです

何かに向かって走る。それって大変なことですよね。

例えば受験もそうだし社会人なら目標みたいなものもある。そしていい結果が出ればそれにこしたことはありませんが、いつも上手くいくとは限らず。そんな時、人って不安になる。自分が選択したこの道ははたして正しかったのだろうか?いや、道を間違えたか?と自分に問いかける。その問いかけが多ければ多いほど人は悩む。それでも時間は進み日々刻々と結果を迫られる。「成功とは?成功するまで諦めなかった事を言う」と誰かの名言で聞いたことがある。確かにそうだ。そうだけれども人はどうしても心が折れそうになる。

私の患者さんでもそういう方がいる。「先生、私って治りますか?」「これっていつ頃治りますか?」「どこへ行っても治らなかったのですが治りますか?」などなど聞かれることもあります。

もちろん、私の器量の範囲ではお応えしますがなにぶん私も神様ではない。「絶対」と言いたいけど使えないこともある。

何故なら「人間」が相手だから。勿論人が生物ではなく無機質な物体であるなら人工的にでも順序良く組み立てていけるだろう。しかし人は生き物だ。生きてる限り常に細胞は流動的で変化し続けるもの。そこに何が起きるかは予測ができない。ただ、本来なら計算できるところは順序だてて進めるべきだ。

例えばいつも私がここで書いてる「ムチウチ」などもそうだ。人は痛みが和らぐと「治った」と勘違いしてしまう。しかし、「物理的に動いたものは物理的にでしか戻らない」もの。牽引しようがマッサージしようがそんなことで「物理的に動いたものは戻らない!」。ところが本人の痛みが和らぐものだから「完治した」と先生も患者さんも思ってしまう。

その結果、数ヵ月、数年後、数十年後に首とは関係のない腰や膝や肩が痛み出す。まさかあの時の交通事故が原因でそんなことが起きてるなんて夢にも思わない。そうやって人の寿命は縮んで行くんです、現実は。それならそのムチウチを物理的に戻せばいい!たったそれだけのことです。たったそれだけのことなのにその検査方法がやけに難しい!!検査が難しいから先生が理解できない。理解できないから「目に見えることだけ治療する」。その結果いつまでたってもスッキリせず再発もし色んな他の場所まで壊れてくる。だったらその逆をやればいい!「そこさえ何とかすれば」必ず全てが良くなってくる。それが「原因から治す」ということです。

患者さんは医学的知識はほとんどありません。知識がないのですから誰かが導いてあげないといけない。患者さんが諦めそうになったら、その原因を説明し正しい方向へと導いてあげる。そして一緒になって計画的に進む。でもそこで患者さんの心が折れそうになる。このときにこそ私が必死になってそれを食い止める番です。前向きな考え方ができるよう共に考え一歩でも前へ進む。そしたら乗り越えられるもんです、人間って。その最後の患者さんの笑顔を見るために私は生きてるんですから。どんな痛みも諦めないで下さい。諦めさえしなければ必ず道は開ける。そのための私です。